その言葉は誰のもの
いろんな文章を読んでいると、初めて出会ったみたいじゃない文章とかたまにありません?
既視感があるというか。
「それ、あたしも思ってたことやん!」って先に表現されてしまったがっくり感があったりとか、好きな人と同じなら嬉しかったり。そんなことがあたしにはたびたびあります。
この間はあたしがとある人へ話した言葉そのものが、その人の言葉となっているところにソーシャル上で出会いました。その時あたしは、なんだかもやっとした気分になってしまって。なんか、勝手に盗まれたみたいな気持ちになったんですよねえ。
なんでもない会話だったのに、あたしという人間はなんて器が小さいのか(笑)時間が経てばその言葉はあたしのものでもないことに気づけるんですが、その時はモヤモヤ。
こんな出来事が教えてくれたこと、
「あたしの言葉は本当にあたしのものか???」
口や指先から出る言葉たちに名札がついているわけでもない。あたしだって誰かの言葉を「盗作」しているのかもしれないなあって。そう思うとぞっとしました。
日々読んでいる本、ソーシャル上で見かける友達や知り合いの投稿・・・・。
何気なく目を通しているうちに、人の言葉が自分を創り上げていく怖さがあると思ったのです。
あたしが生きてきた上で必要不可欠だった影響はたくさんあるし、それは絶対必要だったものたち。でも、その言葉たちに自分を侵されてはいけない。
何事も上達への近道は真似事だというけれど、心から湧きあがってこない言葉の真似事など自分をばかにしていると思いました。
理論的でも感情的でも、どちらでもなくていい。
わっと湧いた言葉だけを大切にしたい。
頭からひねり出すようなことはしたくないなあ。
そんなことをぼんやり思いながら、書いたり読んだりしています。