呼吸器のようなもの

滋賀生まれ射手座。日々感じたことの備忘録。

うまれて初めてのモデルでフルヌードに挑戦したおはなし


 ただ無意味なことをしてみたかったのかもしれない。ただ自分の好奇心が導くほうへ。素直に従った結果です。25歳の夏はたくさん考えたり自分に向き合うきっかけがあった。そしたらもうどうしたらいいのかわからなくなった。でも心のどこかでわかっていたのは、この時間も「今」でしかなく、どんなに抵抗しても続かないということ。そんな「今」を少しでもクリアーにしたくって、「今」のあたしを遺してみたいと思いついてしまった。考えこむことが多かったからこそ、自分のために動かなくてはと誰かに背中を押されたような感じ。こんな思いつきにはちゃんときっかけがあって、高校の同級生にプロカメラマンをしている友達がいた。彼の写真はインスタグラムでずっと好きで見ていて、何よりも彼の写真に対する愛がいつも伝わってきていた。もしかすると、彼との繋がりなしではフルヌードを撮ってみたいという発想もなかったのかもしれない。彼に連絡してみたら二つ返事でオッケーしてくれて、あっという間に日取りと撮影場所も決まってしまった。

 

 モデルの知識なんて何もないけれど、あえて何も見ないでおこうと思った。偽りのない、今の自分を写したかったから。食事は少しだけ意識して、コンプレックスの体毛もほとんどそのままにした。剥げたペディキュアだけは当日の朝気がついて、急いでダークブルーを塗り直した。もちろんノーメイクで、結局ほとんどいつも通りというわけ。彼と会うのは卒業以来で7年ぶり。指定された集合場所へ向かうまではさすがのあたしも少し緊張した。車内では高校から今までの話、あたしの今日までの動機などゆっくり話した。彼も少なからず緊張していただろうに、穏やかに迎えてくれて本当に感謝している。

 

 雨予報のなか、奇跡的に晴れた2時間。何もわからない丸投げのあたしに、ていねいにアングルやイメージを教えてくれた。たまに撮った写真を見せてくれ、あたしをリラックスさせようと彼は優しかった。実はカメラの前で自然な笑顔を作るのが本当に苦手で、成人式の時はカメラマンに中断されたほど。大きな口でがーっと笑うか、変顔しかできないとゆう。でもこの日は大きなカメラを向けられても、彼と自然が作り出してくれた空気感によって、いつもとは違った自分がいた。何がって楽しかったし、まさか高校の同級生とこんなことしてることがおもしろくて笑えた。すっぽんぽんになるときも、何にも不安はなかった。(高校の同級生なのに!)そろそろ終わるタイミングで急に風が吹き出してきて、急いで帰り支度をした。天気すらも味方してくれたことを実感して、また嬉しくなった。濡れたままの体で車に乗り込み、銭湯へ。冷えた体を温めながら、ぼんやり不思議な時間を思い返した。ご飯を食べていろいろとおしゃべりに花を咲かし、早めに解散した。帰宅して、しぬほど寝た。うまれて初めてのことはきっとなんでもいい疲れがあるのかも。

 

 時間が経つほど自分の行動力に笑えてきて、恥ずかしくて、なかなか500枚のデータを見れなかった。やっとゆっくり見てみると、彼が本当に全力でシャッターを切ってくれているのがわかる。本当に感謝でいっぱいになった。あたしがおばあちゃんになっても、絶対ずっと思い出す1日になる。まだこの写真たちをどうしようかは何も決めていない。でもこのまま仕舞っておくことは少し違う気もする。もし、何かアイデアがあれば教えてください。

 

 いま思えば、ただ無意味なことをして、それでも生かされていることを感じたかった。嫌になるくらい、自分のままでしかいられない自分と、もっとぶつかってみたかった。やわらかく、自分を受けとめたかった。これから先、どんなことを感じ生きていくかは誰にもわからない。でもひとつだけ、めっちゃはっきりわかったこと。もう、うそはつかない。どんなうそでも。見ないように、殺してきた自分を今度こそ生かそう。ストイックに自分を癒すと決めた。感じたものを、思いついたことを、殺さないと決めた。ちいさな自分を慰めてほしかったのは、自分自身だ。そんなことにも気がつかず、いろんな人を利用してきたあたし。不器用で弱いけど、もっと真っ直ぐに生きますから。あたしを見捨てるな私。寂しさと孤独を原動力に、愛を。その原動力たちにも愛を。


最高の1日を遺してくれたカメラマンのやまげん、

自分として生きる背中を見せてくれた「ピンヒールははかない」の佐久間由美子さん、

いつも私と真っ向から向き合ってくれる家族、

そばで見守ってくれている恋人、友達、みなさまへ、

たくさんたくさんの愛と感謝をこめて。

長生きしてください。

 

 

私は今日もあたしを生きます。


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